焼畑 ― 佐々木高明の見た五木村、そして世界へ Thematic Exhibition: Slash-and-Burn Cultivation Viewed by SASAKI Komei: From Itsuki Mura to the World

焼畑 ―

佐々木高明の見た五木村、そして世界へ

Thematic Exhibition:

Slash-and-Burn Cultivation Viewed by SASAKI Komei: From Itsuki Mura to the World

 

 

 

 

 

日本や世界の焼畑がどの地域でどのような環境のもとおこなわれてきたのか、各地域の焼畑の特徴はなにかを紹介する展覧会が、国立民族学博物館において開催中だ。

焼畑は人類の歴史とともに長い伝統を持ち、現在でも熱帯地域では欠かせない生業基盤のひとつになっている。

しかし東南アジアなどでは森林破壊の原因のひとつと見られ負のイメージが強い。

シンガポールの人には、春から初夏にかけては来ない方がよい、隣国などの焼畑で空気は悪いし、灰が降って来ると筆者は言われていた。

筆者も小学校では、焼畑は、「稲作以前の下等な農業法」「大気汚染の原因」などと習って来たし、この展覧会を拝見するまでそう思い込んできた。

しかし、この展覧会ではその思い込みを一掃させられた。

というのも、焼畑は、アワ、ヒエ、バナナ、サトイモ、アズキ、ソバ、カブなどが栽培されて、収穫後は畑地を森にもどす再生型の農耕であり、その間には狩猟や採集がおこなわれる。

このため今日の日本では自然に優しい持続型農法として注目されている。

“Slash-and-Burn Cultivation” と英訳されて来た焼畑だが、この「焼く」という Burn”のイメージが悪く「火入れ」に目が行きがちという。

これからは、火入れをすることは必ずしも強調されない Shifting cultivation”すなわち「移動耕作」という意味の方が実際とマッチしているというのだ。

焼畑の火入れ

(宮崎県椎葉村、撮影:山本紀夫、撮影年:1977)

焼畑地における火入れの様子

(タイ、撮影:中村信介、撮影年:2006年)

この展覧会は、佐々木高明(ささき こうめい)国立民族学博物館二代目館長が熊本県五木(いつき)村で撮影した焼畑の写真や現地で使用されてきた道具を紹介しながら、日本や世界の各地域の焼畑の特徴はなにかを紹介するもの。

焼畑の農法を受け継ぐ女性

(熊本県五木村、撮影:寺嶋悠、撮影年:2021年)

木に登り、「ツク」と呼ばれる道具で枝打ちをするのに木から木に渡るのは、世界広しと言えども九州山地のみの特徴という。

キオロシ(枝打ち)の際に木から木に渡る住民

(熊本県五木村、撮影:佐々木高明、撮影年:1960 年)

アワ、ヒエなどの種を取り、また植え、再生させる。

種は種袋に入れて保存しておけば買わなくていい。

焼畑は、まさに循環型の農法なのだ。

人がコントロールし過ぎず、自然に任せながら適度に変えて行く農法が長きにわたって受け継がれて来た秘訣ではないのか。

五木村を中心とした世界の焼畑をとおして、人間と自然との共生のありかたについて一石を投じる展覧会だ。

アマゾンの焼畑地での除草の様子

 (ペルー、撮影:池谷和信、撮影年:2011年)

構成

1.佐々木高明の見た焼畑と人 1958-1960

2.最後の焼畑の民 五木村・嶽本キクエの暮らしと焼畑2021

3.人の移動と焼畑の歩み 五木村から世界へ 火と人の歴史・山の弥生人

4.焼畑で世界一周

5.現代社会と焼畑 日本と世界を繋ぐ

 

会 期     2022310日(木)~ 202267日(火)

会場       国立民族学博物館 本館企画展示場

開館時間              10001700(入館は1630まで)

休館日    休館日 水曜日(※ただし、54日[水]は開館、6日[金]は休館)

主 催     国立民族学博物館、五木村

協 力     人間文化研究機構基幹研究プロジェクト「北東アジア地域研究」

(国立民族学博物館拠点)

公益財団法人千里文化財団

後 援     熊本県

観覧料    一般580円(490円)、大学生250円(200円)、高校生以下無料

 

※( )は、20名以上の団体料金、大学等の授業でご利用の方、3ヶ月以内のリピーター、満65歳以上の方の割引料金(要証明書等)。

※大学等は、短大、大学、大学院、専修学校の専門課程 

※障がい者手帳をお持ちの方は、付添者1名とともに、無料。

※大学生、一般の方は万博記念公園各ゲートで、国立民族学博物館の観覧券をお買い求めのこと。同園内を無料で通行可。

※高校生以下、「国立民族学博物館友の会」会員の方は万博記念公園各ゲート有人窓口で、みんぱくへ行くことをお申し出いただき、通行証をお受け取りのこと。

※万博記念公園をご利用になる場合は、同園入園料が必要。

 

☆国立民族学博物館 ホームページ

https://www.minpaku.ac.jp/

 

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締切:http://art-news-jp.jimdo.comにてUPした日の午前零時

発送をもって当選と代えさせていただきます。

 なお、このご招待券で同時開催中の「邂逅する写真たち――モンゴルの100年前と今」展もご覧になれますが、20220531日まで開催です。

一方、「焼畑 ―― 佐々木高明の見た五木村、そして世界へ」展は20220607日まで開催のため、0602日から0607日までに観覧ご希望のかたは、「邂逅する写真たち――モンゴルの100年前と今」展は展覧会自体が終了しておりますのでご覧になれません。

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