開館40周年記念特別展「ビーズ―つなぐ・かざる・みせる」 Special Exhibition Beads in the World

 

開館40周年記念特別展「ビーズ―つなぐ・かざる・みせる」

 

Special Exhibition Beads in the World

 

 

 

                                          

 

国立民族学博物館は、「みんぱく」の愛称で親しまれて来ており、今年で、開館40周年を迎えた。

 

それを記念した展覧会「ビーズ―つなぐ・かざる・みせる」が、国立民族学博物館において開催中だ。

 

弊社が吹田市にあるので、名刺交換をする際、よく「みんぱくのあるところですよね。」と言われることが多い。

 

また、筆者がレイモンド・ローウィ展を監修させていただいた際、たばこと塩の博物館の学芸課長が展示物を取りに弊社に来られた時に学芸員を目指されているお嬢さんに長距離の運転を手伝ってほしいからと、「みんぱくが近いけど一緒に行く?」と言うと「ぜひ、行きたい。」とついて来てくれた。運転を交替でしてくれたから助かった。

 

という話を聞いていた。

 

筆者は子供の頃に学校の授業ではなく家族と訪れただけだったので、その価値がわからず、「そんなにすごいところなんですか。東京にはないんですか。」 と聞くと、

 

「関東地区には国立歴史民俗博物館が千葉にある。しかし、みんぱくは世界最大級の博物館機能を備えた文化人類学・民族学の博物館として、世界でも有数だ。」

 

と教えてくれた。

 

その後、2004 (平成16)年には 国立大学法人法の施行により、大学共同利用機関法人・人間文化研究機構が発足した。

 

今や、みんぱくは博物館機能と、大学院教育の機能を備えた、文化人類学・民族学の研究所として、世界で唯一の存在なのだ。

 

☆国立歴史民俗博物館

 

  https://www.rekihaku.ac.jp

 

国立歴史民俗博物館で行われた、『人間文化研究機構連携展示 都市を描く-京都と江戸-第I  「洛中洛外図屏風と風俗画」展』については以下で記しているので参照されたし。

 

  http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19

 

しかし、弊社が江坂に転居して来てから、16年間、一度も訪れたことはなかった。

 

吹田市に所在しながら、申しわけないが、千里の山を登るのは抵抗があったのも事実。

 

が、「世界はビーズでつながっている――」という斬新なタイトルに惹かれ、お伺いしたくなった。

 

広報担当者に近くにいながら今まで伺えず、申しわけないことと興味深い展覧会なので多くの人に知っていただきたい旨のご連絡をすると、急な依頼にも関わらず迅速に進めて下さり、その応対には温かさと人間性の豊かさをも感じられた。

 

また、せっかく同じ吹田なので行ったことはないが自転車で伺うことを言うといろいろ調べて下さった。取材当日は、真夏日で暑く、筆者が到着するまで心配していてくれた。

 

熱中症を心配し、筆者が到着するなり、「暑かったでしょう。」とミネラルウォーターを差し入れてくれたのだ。その水は、「甘露」で何よりもおいしかった。

 

 

 

 さて、この展覧会では、人類が作り出した傑作品の一つとしてビーズをとらえている。

 

飾り玉、数珠玉、トンボ玉などを総称するビーズ。

 

ビーズは、およそ10万年前に誕生して以来、単に飾るだけが目的ではなく、様々な役割を持って生まれては消え、世界中の文化のなかに広まって来たという。

 

ガラスや石や貝だけではなく動物の歯や虫の羽などから作られた珍しいものを展示し、つくる楽しみ、飾る楽しみをとおして日本や世界の人びとにとってのビーズの魅力を紹介する展覧会だ。

 

ミイラのビーズマスク(エジプト)

 

 ものをつないだ円形の首飾りや、赤色の玉が好まれるのは、人類に広く共通する特徴という。

 

アイヌの首飾り(北海道)

 

撮影  浦 典子

 

ビーズ職人

 

言葉や道具などと同様に、人類に共通する「つなぐ」という行為に着目し、「人類とは何か」について考察した展示が、大変興味深い。

 

ビーズ製人像(ナイジェリア)

 

 鑑賞していると、もっと世界に旅に出てみたいと思えて来る。

 

 幼少の頃、鑑賞した世界の珍しいものがよみがえって来た。だから、世界を見てみたいと思うようになったんだ。筆者の原点はここにあった。

 

いかに子供の頃の体験が大きいかを身に染みた出来事だ。

 

 コンピュータの出現により家に籠る人が多く、内向きの人が多いという。

 

ぜひ、多くのお子さんに鑑賞していただきたい。また、大人のかたは、原点に立ち返ってまた、新たな発見ができるであろう。

 

ビーズ製人像(ナイジェリア)

 

 

 

 

 

 図録には、ビーズと人類について大変興味深くうまくまとめて書かれており、目からうろこだ。

 

  人類や民族を考える時、その創り出したもののみならず、その人柄や民族性も重要なファクターだ。

 

誰もが忙しすぎ、殺伐とした世の中で、優しい「人類」に触れあえて、人間っていいものだなあと感じられた。

 

 国立民族学博物館は、その展示物だけでなく、そこで働く人たちからも学べる場所である。

 

 江坂から国立民族学博物館までは、自転車では大変しんどかった。が、それは心地よい疲れであり、全く苦にならない。

 

 吹田に物件を購入して、心からよかったと感じられた。

 

 これをご縁にこの国立民族学博物館の展覧会を紹介してゆきたいと思う。

 

66日(火)まで。 お見逃しなく。

 

 

 

ビーズ製の花嫁衣装(南アフリカ)

 

☆構成

 

  1―①つなぐ 色・形・大きさ

 

  1―② つなぐ 多様な素材

 

  1―③ つなぐ あゆみ

 

  1―④ つなぐ つくる

 

  2 かざる

 

  3 みせる

 

  4 ビーズで世界一周

 

  5 グローバル時代とビーズアート

 

  6 体験コーナー

 

☆見どころ

 

  1 世界のビーズがみんぱくに大集合!

 

  2 ビーズから考える「人類とは?」

 

  3 本邦初公開!ビーズ製人像ができるまで

 

  4 さまざまな体験型プログラムを開催!

 

 

 

会場

 

国立民族学博物館 特別展示館

 

会期

 

201739日(木)~ 66日(火)

 

開館時間

 

10001700(入館は1630まで)

 

休館日

 

水曜日

 

主催

 

国立民族学博物館

 

協力

 

大阪府立近つ飛鳥博物館、大阪府立弥生文化博物館、岡山市立オリエント美術館、京都古布保存会、公益財団法人大阪府文化財センター、KOBEとんぼ玉ミュージアム、松野工業株式会社、ミキモト真珠島 真珠博物館、千里文化財団

 

観覧料

 

一般420円(350円)/高校・大学生250円(200円)/小・中学生 無料 

 

 (※本館展示も鑑賞可。)

 

( )は、20名以上の団体料金、大学等の授業でご利用の方、授業レポート等の作成を目的とする高校生、3ヶ月以内のリピーター、満65歳以上の方の割引料金(要証明書等)。

 

※大学生は、短大、大学、大学院、専修学校の専門課程• 高校、大学生、一般の方は自然文化園(中央口、西口、北口)窓口で観覧券を買い求めると園内を無料で通行可。

 

• 小、中学生が自然文化園(有料区域)を通行の場合は、自然文化園(中央口、西口、北口)有人窓口で、みんぱくへ行くことをお申し出いただき、無料通行券をお受け取りのこと。

 

• 障がい者手帳をお持ちの方は、付添者1名とともに、無料。

 

• 毎週土曜日は、高校生は無料。ただし、自然文化園を通行の場合は、同園の入園料が別途必要。

 

●シャトルバス(運行期間:39日(木)~66日(火)の土曜・日曜・祝日)

 

大阪モノレール「万博記念公園駅」とみんぱくの間の直通無料送迎バスを期間限定運行。

 

111往復 ◆所要時間10分 ◆無料

 

☆国立民族学博物館 ホームページ

 

http://www.minpaku.ac.jp/museum

 

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