広島県立美術館リニューアル・オープン20周年記念展 彫金家 清水南山 -広島が生んだ近代金工の巨匠 Nanzan Shimizu :The Master of Modern Metalwork from Hiroshima

 広島県立美術館リニューアル・オープン20周年記念展

 

彫金家 清水南山

 

-広島が生んだ近代金工の巨匠

 

Nanzan Shimizu :

The Master of Modern Metalwork from Hiroshima

 

 

 日本伝統金工の正統を伝えた最後の彫金家といわれる清水南山(1875‒1948)。

 

その特別展が、広島県立美術館において20161111()から好評開催中だ。

 

広島県立美術館は、リニューアル・オープンしてから20周年を迎えた。

 

それを記念して、広島県出身の作家を広く知ってもらおうと企画された展覧会だ。   

          

                             《波に龍文水瓶》 昭和12年 広島県立美術館蔵

 

 

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  《獅子文香炉》 昭和19年 東京国立博物館蔵 Image:TNM Image Archives

 

☆清水南山とは?

 

  広島県三原市出身の彫金家。

 

  広島県出身者としては初めて特待生として東京美術学校(現在の東京藝術大学)に入学し、

 

早くから才能を発揮した。

 

その作風は伝統技法を大切にした大変格調高く、静謐だ。

 

南山の名を知らなくとも法隆寺の夢殿逗子金具や漆塗箱などを制作したといえば

 

わかりやすいだろう。

 

また、東京美術学校の教授として、学生の指導に当たり、帝室技芸員、日本彫金会会長、

 

帝国美術院会員を歴任。

 

 

 

南山は、四国霊場巡礼及び奈良で厳しい修行のような古美術研究を経て、伝統尊崇の念と

 

伝統継承の使命感を持つ。

 

南山の描いた《四国八十八ヶ所巡礼写生巻》(上・下)や《大和古寺仏像建築写生帖》などが

 

展示されている。

 

南山の奈良での古美術研究時代のご縁でその仕事ぶりから法隆寺佐伯定胤管主から

 

東京美術学校正木直彦校長に推薦される。

 

昭和3年には昭和天皇御即位式用太刀拵の金具制作。

 

南山の法隆寺ゆかりの制作品や皇室依嘱の制作品が見逃せない。

 

住吉大社所蔵の御紋付釣燈籠が南山作とこの展覧会で初めて知った。

 

氏子の筆者としては大変うれしく南山に親しみを感じている。

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               《猫金具付小児用手提》 昭和14年 広島県立美術館蔵

 

南山の活躍した明治・大正・昭和前期は日本文化が軽んじられ、西洋文化賛辞の時代であった。

 

伝統に根差した確固たる信念と近代的な時代認識を併せ持った南山は、以下のように述べている。

 

『伝統とは「形式の模倣ではない」「内に潜むものの外へ向かっての現はれである」』

 

 この展覧会は、清水南山の格調高い作品とともにその源泉となる刀装金工、南山の師である加納夏雄・海野勝珉、

教え子の増田三男などの作品も交え、日本金工の多彩な世界を紹介し、約160点を一堂に展示。

 

 

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                  《山水図対花瓶》 昭和3年 清水三年坂美術館蔵

 

図録は、南山の貴重な写真なども体系づけてよくまとめられている。要保存版だ。

 

南山は日本画の大家である平山郁夫の祖母の兄でもある。

 

日本の近代工芸の評価は、近年高まっている。

 

昨年、「驚きの明治工藝」展が、東京藝術大学大学美術館や京都 細見美術館で開催されたばかりだ。

 

以下で記しているので参照されたし。

 

https://art-news-jp.jimdo.com/2016/11/20/驚きの明治工藝-日本で初めてまとめて展示/

 

http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2016-11-20

 

 

 

21世紀の今、工芸を見直し、重んじるべき時なのかもしれない。

 

また、リニューアル・オープン20周年記念「広島県立美術館ベストセレクション展」

 

“20th Anniversary Renewal Open: Hiroshima Prefectural Art Museum Best Selection Exhibit”

 

も、お見逃しなく!

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              《銀花瓶》 昭和13年 三原市蔵

 

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                 《腕相撲図硯屏》 昭和11年 京都国立近代美術館蔵

 

会 期:

 

2017(平成29)年16日(金)~212日(日) 

 

※会期中無休

 

開館時間:9:0017:00

 

              会場:3階企画展示室

 

              ※金曜日は1900まで

 

              ※入館は閉館30分前まで

 

観覧料:

 

一 般 当  日                                   団体

 

一   般

 

1,100                                 900

 

              高・大学生

 

              700                                  500

 

              小・中学生

 

400                                   200

 

※ 団体は20名以上

 

              ※ 学生券をお求めの際は学生証のご提示のこと。

 

  ※ 身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳及び戦傷病者手帳の所持者と介助者(1名まで)の当日料金は半額。

 

              ※ 本券で所蔵作品展も鑑賞可。

 

 

 

主催:広島県立美術館、中国新聞社、イズミテクノ

 

後援:中国放送、広島テレビ、広島ホームテレビ、テレビ新広島、広島エフエム放送、FMちゅーピー76.6MHz、エフエムふくやま、尾道エフエム放送、FMはつかいち76.1MHzFM東広島89.7MHz

 

協賛:広島県信用組合、日本通運 広島支店

 

特別協力:法隆寺、東京国立近代美術館、三原市教育委員会、郷土と南山先生を語る会

 

協力:住吉大社、東京藝術大学大学美術館、宮内庁三の丸尚蔵館、清水三年坂美術館、造幣博物館、広島市立大学芸術資料館、広島城、ギャラリー竹柳堂、平安アート

 

☆ホームページ

 

    http://www.hpam.jp

 

☆ギャラリートーク

 

日時:210 日(金) 各回1100

 

211日(土) 1100

 

講師:広島県立美術館学芸員

 

会場:3階企画展示室

 

※入場券が必要。申込不要。

 

※会場入り口集合。

 

☆音声ガイド

 

              作品解説:約30作品

 

              解説時間:約30

 

              語り:春風亭昇々(噺家)

 

              価格:600円(税込み)

 

 

 

☆読者プレゼント 

 

   510名様にご招待券 プレゼント

 

   あて先 :  loewy@jg8.so-net.ne.jp

 

   件名:展覧会名と会場名

 

   本文:ご住所、お名前

 

   をお書きの上どしどしご応募下さい。

 

        締切:http://art-news-jp.jimdo.comにてUPした日の午前零時

 

   発送をもって当選と代えさせていただきます。

 

   速達対応いたします。

 

 

 

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