ビートたけしのアートが100点!アートたけし展

 

ビートたけしのアートが100点!

 

 

アートたけし展

 

 

絵画や版画、立体作品など約100点を一堂に。

 

 

 

 

 

 

 

      撮影 浦 典子

 

 ビートたけしが、初めて自ら発案した展覧会が、阪急うめだギャラリーで316日より始まった。

 コメディアン、映画監督とマルチに活躍するビートたけし。(以下、たけしと記す。)

2012年に行われたたけしの展覧会は以下で記しているので参照されたし。

 BEAT TAKESHI KITANO 絵描き 小僧展』

  http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2012-08-23

  筆者は、パリのカルティエ現代美術財団で行われた「Beat Takeshi Kitano, Gosse de peintre 絵描き小僧」展に取材に上がっている。この展覧会は好評のため、当初の予定を延長して開催されたのだ。これは、パリの展覧会でも異例といえよう。

 さらに同じく、カルティエ現代美術財団で行われた「Mathematics: A Beautiful Elsewhere」にもたけしの作品が展示されていた。

 この展覧会は、「オイラの絵とか並べて展示とかしてみたら、見て喜んでもらえたりするかなぁ?」という、たけし自身の発案により、実現が決まったという。

 BEAT TAKESHI KITANO 絵描き 小僧展』は、関西には巡回しなかったので、関西地区の皆さんは必見だ。

 「“絵を描く事”が、唯一無二の無心で没頭できる最高の遊び」とビートたけしは語る。

 豊かな感性をもつ、たけしのひらめきが形になった展覧会だ。

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 たけしは、ビートたけしとしてツービートを結成したことから始まり、この半世紀を日本のコメディアンとしてお茶の間を賑わせている。

  また、タレント・俳優業に加え、北野武の名前で1997年 第54回ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞を「HANA-BI」で受賞し、2003年 第60回ヴェネツィア国際映画祭 銀獅子賞を「座頭市」で受賞するなど、世界が認める映画監督として活躍している。99年にフランスの芸術文化勲章「シュバリエ」を、続く2010年には最高章「コマンドール」も受賞している。

  加えて画家など、アーティストとしてもさらに活動の幅を広げ、「天才たけし」の名をほしいままにしている。

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   この展覧会に展示されている作品は、ノンタイトルだ。全ての人が童心にかえり、楽しんで欲しいという想いから、見た人が自由に感じることができるようにと、あえてタイトルはつけていないという。

  だからこそ、生きて来るのが音声ガイドだ。たけしと長年仕事をしてきた阿川佐和子、大竹まこと、江口ともみ、そして山田五郎が音声ガイドで特別出演している。

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 「山田五郎のナットク美術ガイド」として、「アートたけし展」に出展される作品を、アートの目線からしっかりと解説しているのだ。

 アフリカのプリミティブなアートから、印象派、フォービスム、ジャクソン・ポロックなど美術史上の有名な作家とたけしの作品という切り口で述べており、たけしの作品を鑑賞しながら、美術史も学べるという一石二鳥なのだ。

 

  ジャクソン・ポロック展は、関西に来なかったので、ご存じないかたもおられるであろう。

  以下で紹介しているので参照されたし。

  http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2012-01-14

  http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2012-03-06

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 「アートたけし勝手に座談会」など、彼らの独自の"アートたけし像"をわかりやすく述べているので、これは、必聴だ。ポルシェの話もお聞きのがしなく。 

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展覧会場内でしか聞けない音声ガイドを借りるのをお忘れなく、なのだ。

  また、ぜひ、おすすめなのが展覧会公式カタログ。

  あのたけしですら、身体も頭も弱っていた時があるという。

  いろんな辛いことはひとぞれぞれあろうとも、こんなことでへこたれていてはいけないと奮い立たされるようだと筆者は感じた。

  たけしの思いが、この図録に詰まっている。じっくり読んでいただきたい。

  たけしと作品を共同制作している現代美術作家・ヤノベケンジ、北野武監督作品『Dolls[ドールズ]』で主演を務め、『劇場版 MOZU』や2016227日公開の『女が眠る時』で共演を果たしている俳優・西島秀俊、多くの番組で共演してきたエッセイスト・阿川佐和子の3名のゲストを迎えたコラムは見逃せない。

  図録のブックカバーは、表紙を自分好みの作品に替えることの出来、その裏は、たけしのポスターになっている。保存版だ。

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 たけしの絵を純粋に鑑賞するもよし、彼の試行錯誤を鑑みるのもよし。どの画家のどの作品にインスパイアされているかを思いめぐらせるのもよし。

  それぞれの自由な鑑賞のしかたで展覧会を楽しんでいただきたい。

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会期

2016316日(水)~28日(月)

会期中無休

9階 阪急うめだギャラリー ※催し最終日は午後6時閉場

※閉場30分前までにご入場のこと。

入場料:一般1,000円 大学・高校・中学生800円 小学生以下無料

※阪急阪神お得意様カード、ペルソナカード、ペルソナSTACIAカード、 エメラルドSTACIAカードの

 ご呈示で、ご本人様に限り、入場料から100円割引

 ※障がい者手帳(身体障がい者手帳、精神障がい者保健福祉手帳、療育手帳、被爆者健康手帳)を

  ご呈示の方、及びその介添えのための同伴者1名様まで無料。

  

☆阪急うめだギャラリー

  http://www.hankyu-dept.co.jp/honten/event/index.html

☆アートたけし展 公式ホームページ

  http://www.art-takeshi.com

 

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☆巡回予定

 2016429(金・祝)65()

 会場:みやざきアートセンター 入場口5

 2016年夏 金沢21世紀美術館 市民ギャラリー

 201692日(金)~1010日(月祝) 福岡アジア美術館

 2017年春 長崎県美術館

 2017年秋 名古屋

 

       

 

      … 他、全国巡回開催予定。